校長室の窓から〜『富岳の眺め』No.163
- 公開日
- 2021/02/13
- 更新日
- 2021/02/13
校長室より
No.163【ミステリーに挑戦】
突然ですが問題です。
ここにA、B、Cという
三つの袋があります。
それぞれの袋には
金貨が3枚ずつ入っています。
しかしA、B、Cの袋のうち
その袋のどれか一つは
全てが偽(にせ)の金貨です。
本物の金貨の重さは1枚100g
偽の金貨は1枚110gとします。
量りを1回だけ使って
偽の金貨の袋がどれかを当てるには
どんな方法があるでしょうか?
❔
私は大のミステリー好きである。
推理ドラマや小説では
自分が刑事や探偵になったつもりで
謎解きに熱中している。
張り巡らされた伏線を読み解き、
解決した時の達成感は
何ものにも代えがたい。
高校1年の春先のこと。
ミステリードラマの中で犯人が
刑事の推理力を試そうとして
出題したのが上記の問題である。
私はドラマの進行そっちのけで
紙と鉛筆を手に
この謎解きに挑んだのだ。
本物の金貨が1枚100g、
偽の金貨が1枚110g・・・
その時、答えが閃(ひらめ)いた!
私は意気揚々と
家族に種明かしを披露した。
自分が名刑事となったかのように。
先日40数年ぶりに
そのドラマの再放送を視聴した。
犯人から刑事に問題が出される。
かつて解き明かした自信から
簡単に思い出して解けるはずと
私は自信満々でその問題に再度臨んだ。
ところがどうしてもその解き方を
思い出すことができないのだ。
焦る私。
ついにはエンディングの
刑事の種明かしに至るまで
私にはその問題を解くことが
叶(かな)わなかったのである。
高校受験を乗り越え、
思考が柔軟で
閃きがあったあの頃。
今では閃きが失われただけでなく、
記憶力さえ心許(もと)なくなっていた。
💡
さて冒頭の問題の答えです。
Aの袋から金貨3枚、
Bの袋から金貨2枚、
Cの袋から金貨1枚を
それぞれ取り出します。
そして袋から取り出した
合計6枚の金貨を
量りの上に乗せます。
量りを使えるのは
この1回だけです。
本物の金貨の重さが100g
偽の金貨の重さが110gですので
量りが630gを示せばAの袋が
620gを示せばBの袋が
610gを示せばCの袋が
偽の金貨の袋という事になります。