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校長室の窓から〜『富岳の眺め』No.198

公開日
2021/10/15
更新日
2021/10/15

校長室より

No.198【三たび、時をかける】

アニメ映画『時をかける少女』を
この4ヶ月で3度視聴した。
実は今年度移動教室で
河口湖を3往復した際に
貸切バス内のDVD鑑賞は全て
『時をかける少女』だったのだ。

同じ作品を短い期間で
3度鑑賞する機会はめったにない。
しかし繰り返し鑑賞してみると
その都度新たな発見もあった。



2006年公開のこのアニメは
タイムリープと呼ばれる
過去へ戻る力を身につけた
女子高校生が主人公である。

彼女は偶然身につけたその能力で
自分の失敗を元に戻すために
失敗が起きる数時間前へと
タイムリープを繰り返す。

誰もが憧れる特殊能力。
しかし事はそう簡単ではない。
自分に定められた不幸を回避すれば、
その不幸は別の誰かが引き受ける。
もしもその不幸を引き受けるのが、
自分の大切な人であったとしたら。

「時」という不可逆的なものに
抗(あらが)いたい願望は
誰の中にも存在する。
しかし過ぎ去った「時」を
元に戻せないからこそ
「今」この時のかけがえなさを
人は大切にしてきたのだろう。

三たび鑑賞した『時をかける少女』。

個性豊かな登場人物の中で
主人公が信頼を寄せる叔母が
不思議な雰囲気を漂わせている。
その叔母はなぜか主人公の秘密を
見抜いているふしがあるのだ。

叔母が果たして何者なのか
最後まで明かされる事はない。



1983年に私は
映画『時をかける少女』を
映画館で鑑賞している。
アニメではなく、実写版を。

主演は当時の人気アイドル。
ストーリーは異なっているが、
やはり女子高校生が主人公の
タイムリープを題材としていた。

アニメ版で登場した主人公の叔母。
ふと思い立って調べてみた。
アニメ版の叔母の名前と
かつてアイドルが演じた
実写版の主人公の名前を。

〜 芳山和子 〜

同性同名・・・

そうだったのか!!

実写版で高校生だった主人公。
その23年後の姿が
アニメ版の叔母だったのか。
だから彼女は主人公の秘密を
見抜いていたのだ。

映画も三たび鑑賞すると
新たな発見に出会える。