No.203【トイレの英雄たち】

名作テレビシリーズ
『３年Ｂ組 金八先生』
数々の伝説を生んだドラマの中で
トイレ清掃を扱った回がある。

学校のトイレが詰まってしまう。
修理業者の手配がつかず、
生徒も教職員も悪臭に悩まされる。
一計を案じた金八先生、
「”ウン” のつく仕事をしないか」と
生徒たちに呼びかける。
受験に向けて ”運” をつけたい者、
授業がサボれると期待する者など
６名の生徒が名乗りをあげる。

その仕事がトイレ清掃と知った時、
騙(だま)されたと落胆する６人。
しかし意を決した彼らは
悪臭に耐えながらも作業に取り掛かる。

初めは乗り気ではなかった６人も
先生と一緒に詰まりの原因を考えたり、
配管の仕組みを調べたりする中で
きれいなトイレを取り戻したいと
本気になって清掃に励み始める。

🚾

11月10日は「トイレの日」
” いいトイレ ” の語呂合わせ。
そして11月19日は
国連が定めた「世界トイレの日」

現在も世界では３人に１人が
トイレの無い生活を強いられている。
バケツやビニール袋、
そして多くは屋外で用を足す。
不衛生な生活環境は
免疫力のない幼い子どもたちの
生命をも脅(おびや)かす。

現在の日本のトイレは
特に清潔で快適な空間だと
世界的に賞賛されている。
そしてその清潔さや快適さを
日々保つ人たちがいることも
決して忘れてはならない。

多くの公共トイレで
いつもきれいに使っていただき
ありがとうございます、の
貼り紙を目にするようになった。

いや、感謝しなければならないのは
きれいに使わせていただく
私も含めた利用者の方だろう。

🚽

金八先生と一緒に
トイレの詰まりを直して
ピカピカに磨き上げた生徒たち。
宿直室の風呂を借りて
お互いの背中を流し合う。

さっぱりとした後、
教室へと戻る彼らは
そこで思わぬ光景を目にする。

他の生徒や教職員が
廊下に整列していたのだ。
そして一斉の拍手で
７人は出迎えられた。


トイレ清掃だけを扱ったこの回の
視聴率は25.0％、
放送当時の中学３年生は
今年56歳を迎える。