「話す力」を育むために 〜 高校入試スピーキングテストに向けて
- 公開日
- 2021/11/17
- 更新日
- 2021/11/17
おしらせ
東京都では来年度の都立高校入試から、受験生に独自の英語スピーキングテストを行うことになりました。現在の2年生からがその対象となります。その結果は6段階で評価し、入試の得点に20点分を加算して利用するとのことです。
英語の「話す力」育成はとても大切なことです。しかし私たちが懸念しているのは、テストで得点するための学習に陥らないか、ということです。会話とは拡散するものです。様々な表現を使いながら相手に伝え、また相手の言葉を受けとめるものです。多少の言葉の選択を間違えても、まずは身振り手振りで相手に伝えようとする意欲が前提となります。時には言葉ではなく、笑顔や頷きなどの非言語も用いることも必要でしょう。
しかしテストとなるとそうはいきません。より正しい表現をしようと思えば思うほど、会話が拡散ではなく収束していく可能性があります。また正しい表現を使わなくてはと思うあまり、会話を楽しむ余裕が失われるかもしれません。
スピーキングテストの導入は既定路線です。しかしあまりにもテスト対策にこだわり過ぎると、正解不正解だけを求める会話学習となってしまいます。それこそ「話す力」育成の目的からは大きく逸れてしまいます。
砧中学校では、まず自然な英会話の機会を設けて、生徒たちがネイティブの先生とフランクなコミュニケーションをとれるよう取り組みを始めることにしました。まずは会話のハードルを下げること。多少言い間違えても気にせずに、伝えようとする意欲を喚起していきたいと思います。
そのため12月からはALTと連携して、昼休みに外国のボードゲームを使った遊びを通じて、自然なコミュニケーションがとれるよう、英語科教員だけでなく、全校体制で取り組むこととしました。感染症対策もあるため、学年ごとに指定日を設けて、興味関心のある生徒が自主的に参加できるよう企画しています。まずは会話へのハードルを下げることで「話す力」を育む基盤となればと願っています。
もちろん、授業においてはテスト対策としての「話す力」育成にも努めていきます。授業は公的な場、昼休みの活動は私的な場、この公私のバランスの中で、生徒が着実に「話す力」が身に付けられるよう、計画的に取り組んでまいります。
12月からの新たな取り組みの詳細は、追ってお知らせいたします。
校長 建部 豊
砧中学校 英語科