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校長室の窓から〜『富岳の眺め』No.219

公開日
2022/03/05
更新日
2022/03/05

校長室より

No.219【どう解釈するのか】

このコラムを書き始めて
はや4年の年月が流れた。

コラムで意識してきたことは
無理に結論づけないということ。
余韻を残した方が
多様な見方や考え方に
つながっていくだろうと期待して。

その甲斐あってか
読んでいただいた方々から
様々な解釈の声を頂戴した。
時にはねらい通りの声もあり、
時には予想外の声もあった。

私が全く意識していなかった
新たな着眼による声をいただくと、
書き手である私自身が
逆に学ぶ機会となっていった。
指摘された箇所を読み返しながら
自分自身が気づかなかった
自分自身の潜在意識に
ハッとさせられることもあった。

自分で書いた文章が
いつしか一人歩きを始める。
自ら「表現する」ことで
多くの発見があり、
多くの出会いがあった。

🌳

まもなく3月11日が巡ってくる。
あの日から11年の歳月が流れた。

東日本大震災の翌年、
歌手の中島みゆきが
一つの曲をリリースした。

『倒木の敗者復活戦』

敗れた者たちへの応援歌である。
その歌詞の一節。

 望みの糸は切れても
 救いの糸は切れない
 泣き慣れた者は強かろう
 敗者復活戦
 あざ嗤(わら)え英雄よ
 嗤(わら)うな傷ある者よ
 傷から芽を出せ
 倒木の復活戦

この曲が発表された直後から
その歌詞の意味を巡って
様々な解釈が飛び交った。

特に大きな話題となったのが
「倒木」は「東北」ではないかと
多くの憶測が流れたことだった。

また歌詞の「あざ嗤え英雄よ」と
「嗤うな傷ある者よ」は
果たして何を意味しているのかも
様々に解釈がなされた。


それに対して中島みゆき本人は
今に至るまで何も語ってはいない。