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「協働・共存」

公開日
2022/10/04
更新日
2022/10/04

校長室より

 2年位前のこと、日曜日の夜9時頃、外出先から帰宅するためにある駅で電車を待っていました。
 日曜日の夜にもかかわらず、電車を待つ人が多く、みな整列していました。
 そこへ、小学生が4人やってきました。
 4人は電車が来ると、並んでいる人たちの列を無視して横から割り込み、我先にと席取り合戦を始めました。数名の大人が注意しましたが、それを無視し大声でしゃべる4人。周囲の大人は、冷たい視線でその様子を見ていました。
 私が降りる駅に到着すると、偶然その4人も同じ駅で降りました。改札口に行くと、その4人の保護者と思われる方々が迎えに来ていました。
 普段お店や銀行ATM等で並んでいるとき、順番を無視して横から入る人がいると、入られた側は頭にきます。また、レストランなどで隣のテーブルで大声で会話していたり、電車内で大声で電話している人がいると、腹が立つものです。
 4人の小学生には、人がどんな時に嫌な気持ちになるのか、頭に来るのか、むっとするのか、がわからなかったのかもしれません。
 自分が気づかずに失礼な行為をしたとしても、他人が不機嫌な表情をすれば、表情を読み取って、まずかったと気が付きます。この4人は、人の表情を読み取るのも苦手なのかもしれません。
 席取り合戦のために、人にぶつかったり、足を踏んだりしても、「すいません」「ごめんなさい」を言うことはありませんでした。
 4人の保護者の方は、たぶん、その様子を知らないと思います。
 最近、小中学生の人間関係が崩れやすい、と言われます。
 普段から他人が「嫌だな」と感じることをしていれば、人間関係に「ひび」が入るのは当然です。しかも、原因が自分にあっても、理解できずに他人のせいにしたり、注意されたときに「逆ギレ」したりすれば、人間関係はさらに悪くなります。
 教科の勉強やスポーツなどに加えて、機転が利き、明晰な分析力をもって、多様な人と協働・共存できる、そんな力が今求められています。
 10月以降、砧中学校では、行事が続きます。
 砧中学校の生徒が、これからの行事の中で、人間関係を意識し、社会の中で他人と「協働・共存」する力を育めるよう、教育活動を進めていきたいと思います。

             校長 大坂 崇