豆腐
- 公開日
- 2022/11/07
- 更新日
- 2022/11/07
校長室より
私は、詩や俳句の本に没頭していた時期がありました。
特に、五・七・五の型にはまらない「自由律俳句」が好きで、種田山頭火の句集は、今でも時々読み返します。
そんな自由律俳句の俳人に荻原井泉水という人がいます。
井泉水は、「豆腐」という随筆の中で、次のように書いています。(以下概要)
『豆腐は四角四面の佛頂面だが、木念人*ではない。軟らかさは申し分ない。身を崩さぬしまりはもち、煮ても焼いても、汁にしてもあんをかけても、油で揚げても凍らせても、それぞれの味を出す。相手を嫌わない。チリ鍋では鯛、スキ鍋では鶏、ノッペイ汁では大根や芋、おでんでは蒟蒻や竹輪と協調を保つ。正月のお重にも顔を出し、佛事のお皿にも一役担う。実に融通がきき自然に凡てに順応する。悟りきった達人を思わせる。重い石臼の下をくぐり、こまかい袋の目を濾してさんざん苦労してきたからだろう。我々など到底及ばない。』≪*注(ぼくねんじん):「朴念仁」とも書く/融通の利かない人のこと≫
私にはこのような研ぎ澄まされた文章を書く力はないので、言葉の芸術家とも呼ばれる詩人・俳人・歌人と呼ばれる人達の鋭い感性と視点には、本当に感心してしまいます。
今、第8波以降、また感染拡大を見せる新型コロナウイルス。
この「困難」と共存する「新しい生活様式」が求められるようになってきました。
これから様々な「困難」を乗り越えるためには、いつも自分に磨きをかけ自分らしさを大切にする「凛とした姿勢」、自分以外の考えや生き方を尊重し共存する「他者との協調」、自分で考え判断し行動できる「柔軟な対応力」が、生徒に(大人にも)必要だと思います。
この「豆腐」に代表される「姿勢」「協調性」「柔軟性」は、学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」につながるものとも思います。
次の時代を担う中学生が、新しいスタイルの生活の中で、力強く、そしてたくましく生きていける土台となる力を砧中学校の中で培えるよう、今後も教育活動を行っていきたいと思います。
今後とも、地域の皆様、保護者の皆様、よろしくお願い致します。
校長 大坂 崇
☆校長室だより41