学校日記

全校朝会での学校長の話

公開日
2015/01/19
更新日
2015/01/19

26年度できごと

1月19日 

 おはようございます。明日1月20日は「大寒」。一年で最も寒い日です。実は20年前のちょうど今頃「阪神・淡路大震災」が起こりました。地震でなくなった人が6000人以上、怪我をしたのが4万3000人、全部壊れて住めなくなった家やマンションが10万軒もあった大惨事でした。こんな寒い日に住む家を失い、学校の体育館などに長い間、避難生活を送ることになったら、とみなさん想像してみてください。「これからどうなるんだろうか」と、不安で一杯になっていたはずです。

 そんなとき、「この人たちのために自分にも何かできないか」と、日本中から多くの人が被災地に行き、避難している人の身の回りの世話をしたり、崩れた建物の片づけなどを手伝いました。震災から最初の1カ月で1日に2万人、のべ130万人が集まりました。「ボランティア」と言われたその人たちはもちろんお金ももらわず、自分の時間を被災した人たちのために使ったのです。実は多くの人は学生や会社員で、勉強や仕事を終えた後にお手伝いにいったり、中にはお休みの日に朝から、電気もガスも水道も止まっている地域に行って瓦礫の片づけを日が暮れるまでやっていたのです。

 すごいことですよね。勉強や仕事で疲れているのに人のために何かをしようという気持ち。あ〜今日はおやすみだ、ちょっと寝坊したいな、と思うのが当然なのに、寒い朝、いつもより早起きして、ボランティアとしてみんなの為に働くという気持ちにほんとうに頭がさがります。

 そんな人たちに対して被災者の人は「ありがとう」「本当に助かった」という言葉で気持ちを伝えました。ボランティアの人たちはその言葉が欲しくて参加したわけではないと思います。しかし、少なくとも活動を終えて帰るときに「今日参加してほんとうによかった」と思うことは確かだと思います。ひとりで何度も参加した人が多かったのも、この感謝を伝える言葉のお蔭ではないかと思います。

 人のために何かをしようという気持ちの大切さ、感謝の気持ちを言葉で伝えることの大切さ、このことを伝えたくて今日は20年前に起きた震災のお話をしました。
 これでお話を終わります。