全校朝会での学校長の話
- 公開日
- 2015/11/30
- 更新日
- 2015/11/30
27年度できごと
11月30日
おはようございます。
寒くなってきました。それもそのはず、明日から12月です。こんな寒い中、もっと冷たい氷の上をすべるスポーツがあります。そう、スケートです。一昨日の土曜日に世界のスケーターが集まった試合が長野県でありました。そこで日本の選手は大活躍。羽生選手は世界最高得点で優勝。女子も宮原選手と浅田選手が1位と3位に入りました。しかし、今回活躍したこの人たちは決してずっと強かったわけではありません。
羽生選手はちょうどソチオリンピックで金メダルを取った後、いま一つ調子が悪く、さらに1年前の今頃、練習中に他の選手と激突してしまい、しばらく車椅子での生活をしていたほどのひどい怪我を負いスケートができない状態でした。3回も世界チャンピオンになった浅田選手も昨年「しばらく試合に出ません。スケートもしません」と宣言し、1年間完全にスケートをしなかったのです。引退することも考えていたとも伝えられました。
2人ともいつも試合に出るたびに「トリプルアクセル成功」「優勝」「今度こそ金メダル」と新聞やテレビで騒がれるため、ついつい無理をして頑張りすぎたのではないかと校長先生は思います。「何のために頑張っているんだろう」「自分は本当にスケートが好きなんだろうか」と悩み苦しんだということもお休みをしているときに考えたと新聞で読んだことがありました。
小さいころからずっとスケートを続けているうちに、2人ともこのとき「自分らしさ」を見失っていたのではないでしょうか。怪我のため、そして休養している間に「本当に自分は心からスケートが好きなのだろうか」「自分は何をめざしているのだ」と自分自身に聞いてみた結果、もう一度氷の上で滑りたい、と心から思えるようになったからこそ、再び自分らしい滑りを取り戻し、今回のようにメダルをとることができるようになったのだと思います。
みなさんの中にも、習い事や地域のスポーツなどをやっている人がいるでしょう。最初始めた時に思った「楽しい」「毎日でもやりたい」という気持ちが続けているうちにそう思えなくなってくる時があります。それでも続けることも、大事ですが、時にはちょっと立ち止まって、自分を振り返ってみる時間も必要です。家族や他の人から期待されているからやっているのではなく、自分から進んでやりたくてやっているのか、「自分らしさ」をちゃんと持っているのかをよく考えてみてください。