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『富岳の眺め』No.62 余録

公開日
2019/03/24
更新日
2019/03/24

コラム

『ライ麦畑でつかまえて』
この小説の文体は主人公ホールデンが療養中の病院で
一年前の出来事を回想するという形で書かれている。
そのため回想を語るホールデン自身は17歳である。

小説の作者J.D.サリンジャー。
彼はこの小説発表後、世間から身を隠す。
電気も水道もないニューハンプシャー州の一軒家で
ほとんど人とも接点を持たずに生涯を過ごした。

今年はサリンジャー生誕100年にあたる。
そのためサリンジャーに関する映画が公開中である。

サリンジャーの小説を舞台化しようと
一人の高校生が彼を探して旅をする物語
『ライ麦畑で出会ったら』。

そしてサリンジャーの小説執筆の背景を描いた
『ライ麦畑の反逆児〜ひとりぼっちのサリンジャー』。

2010年サリンジャーは人知れずこの世を去る。享年91歳。
ホールデンと同じように
社会に対して背を向け続けた人生であった。