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校長室の窓から〜『富岳の眺め』No.154

公開日
2020/12/19
更新日
2021/01/03

校長室より

No.154【If you want it】

ちょうど40年前、
ラジオから流れたニュース速報に
一瞬、私は自分の耳を疑った。

ジョン・レノンが亡くなった!

1980年12月8日、
愛と平和を訴え続けた
ミュージシャンの死は
世界中に衝撃を与えた。

ニュース速報を聞いた夜、
凶弾に倒れたジョンを悼(いた)み、
私はラジカセにテープを入れ
繰り返し『イマジン』を聴いていた。

☮️

ビートルズ解散後、
ジョンは妻のヨーコとともに
世界平和を訴え続けた。
時には売名行為と批難され、
単なる夢想家と
揶揄(やゆ)されても、
二人はメッセージを送ることを
決してやめようとはしなかった。

イマジン 〜 想像してごらん、
争いが全くない世界を。
それが『イマジン』に込められた
二人のメッセージである。

人は想像することで
夢を現実に変えてきた。
鳥のように空を飛びたいと願い、
飛行機を発明したように。
世界中の人々が
争いのない世界を "想像" すれば、
必ず現実になる。

妻のヨーコが事件直後に語っている。
80歳になるまで
生きて歌い続けたい、
ジョンは生前そう話していた。
彼がもしも健在だったとしたら
今年でその80歳となる。
彼がもしも健在だったとしたら
今、世界各地の争いは・・・

私はもしも〜だったとしたらと
イマジン、想像を巡らせていた。

🎄

1971年に発表された
クリスマスソング、
『ハッピー・クリスマス』

クリスマスと新年を祝うその歌の
バックコーラスでは
War is over 〜
戦争が終わる、という歌詞が
繰り返し歌われる。
しかしこの歌が発表された当時、
ベトナム戦争は泥沼化し、
戦争犠牲者は増え続けていた。

なぜ War is over なのか?
その答えは
War is over に続く歌詞にある。

if you want it
もしもあなたたちが
そうなることを願うなら。

2020年12月8日
ジョン・レノン没後40年。
クリスマスが近づくその夜、
世界各地の紛争終息を願い
私はタブレット端末で画面を開き
繰り返しその歌を聴いていた。