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校長室の窓から〜『富岳の眺め』No.212

公開日
2022/01/15
更新日
2022/01/15

校長室より

No.212【大人とは?】

寅年にちなんで。

一休さんのとんち話、
その中で虎の屏風絵の話がある。

殿様が一休さんに問う。
屏風の中の虎を捕まえてみよ、と。
一休さんは答える。
まず始めに殿様自身が
屏風から虎を出せたなら、と。

子どもの頃にこの話を読んで
正直なところ何が面白いのか
よくわからなかった。

しかし大人になった今、
私はこの話の教訓を
次のように理解している。

 大人ができもしない事を
 子どもにさせてはいないか?

これは子どもに向けてではなく、
大人に向けての話だと思う。

🐅

教師という仕事は
常に子どもたちから
その言動が注目される。

道徳の授業をした後は
自分に問いかけていた。
果たして教師である私は
生徒に胸を張れるだけの
正しい行いができているのか。

時には生徒から
私が言っていることと
私がやっていることの違いを
厳しく指摘されることもあった。

そんな時は必ずと言っていい程
自己防衛本能がはたらき、
言い訳を考えてしてしまう。
生徒には言い訳をするなと
指導している私自身が。

言い訳をすればするほど
さらに矛盾が生じていく。
その矛盾は間違いなく
生徒には見抜かれていた。

校長室の窓から〜『富岳の眺め』 No.10

🚰

今回のコラムの最後は
「大人エレベーター」で
各年齢の階に止まりながら
様々な分野で活躍する著名人に
「大人とは?」と
問いかけるテレビCMから。

その質問に対して
リリー・フランキーが
こんな風に答えていた。

 子どもの想像の産物っていうか
 ちゃんとしてるはずだったもん
 俺の想像の大人は・・・

子どもの頃に想像していた大人に
今の自分はなれているのか、
それを問い続けることこそが
大人に近づくことなのかもしれない。