校長室の窓から〜『富岳の眺め』No.218
- 公開日
- 2022/02/26
- 更新日
- 2022/02/26
校長室より
No.218
【動物を愛するということ】
青森県・北里大学獣医学部に
実在する学生サークル「犬部」。
行き場を失った犬や猫を保護し、
新たな飼い主を探す活動を続ける。
そのサークルを題材とした映画、
『犬部!』(2021年)を観た。
🐺
動物保護センターでの
犬や猫を待ち受ける運命。
そして大学で飼育されている
実験動物を待ち受ける運命。
動物の命と向き合う
獣医師を目指す若者たちは
命を守りたいという理想と
過酷な現実とのはざまの中で、
何度も壁に跳ね返される。
捨て猫を保護したことで、
その猫から感染症が広がり
他の保護猫までが犠牲となる。
新たな飼い主を見つけるための
譲渡会で人気が集まるのは
元気な子犬や子猫ばかり。
年老いたり障害がある犬や猫は
飼い主がなかなか見つからない。
「かわいい」という人間の基準で
動物たちの運命は大きく分かれていく。
テレビをつければ
愛らしい動物たちの映像に
私は日々癒されている。
しかしその裏側では
私の知らない現実がある。
いや、知らないのではなく
知ろうとしたくない
現実なのかもしれない。
🐈
映画のエンディングで流れる
Novelbrightが歌う
『ライフスコール』
その歌詞が私の胸に突き刺さる。
残酷に告げられる
容赦のない未来
気付かれない生命の泣く声
届いて欲しいと
全身で叫んでいるから
剥き出しの決意をこの胸に
僕は立ち向かう
環境省の発表によると
昨年度1年間で全国において
保護センターなどに引き取られた
犬や猫の総数は72,433匹である。
そのうち新たな飼い主に
譲渡された犬や猫の数は
39,866匹となっている。