令和4年度 第62回卒業式(校長式辞)
- 公開日
- 2023/03/24
- 更新日
- 2023/03/24
校長より
遅くってしまいましたが、先日の卒業式での校長式辞を掲載します。
世田谷区立東深沢中学校、第62回目の卒業生として本校を巣立つ、146名の皆さん、卒業おめでとうございます。
校長として皆さんとともにこの場に立てることをとても誇りに思います。
そして、世田谷区議会議員の方々をはじめ、ご来賓の皆さま、地域の皆様、並びに保護者の皆様には公私ご多用のところ、本校の卒業式にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。高いところから恐縮ではございますが、厚く御礼を申し上げます。
さて、卒業生の皆さん。皆さんは「ウェルビーイング」という言葉と知っていますか。
「ウェルビーイング」とは、心身と社会的な健康を意味する概念です。つまり、満足した生活を送ることができている状態、充実した状態などの多面的な幸せを表す言葉です。
ちなみに、厚生労働省は、「ウェルビーイング」を「個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」であるとしています。
幸せを表す英語としては「ハピネス」がありますが、こちらは瞬間的な幸せを表す言葉です。それに対して、「ウェルビーイング」は「持続的な幸せ」を意味し、さらに、個人のみならず個人をとりまく「場」が持続的によい状態であることを言います。
皆さんの今の状態はどうですか。
離ればなれになってしまうので、悲しいという気持ちもあるかもしれませんが、素晴らしい仲間たちに囲まれ、家族や地域の方々、後輩、教職員に3年間の頑張りを温かく祝福され、そして、輝く未来が待っている。この状態こそ「ウェルビーイング」だと思います。
なぜ、今、「ウェルビーイング」という言葉が注目され、「ウェルビーイング」が必要なのか。
それは、皆さん自身が考えてほしいと思います。自ら考えないと「ウェルビーイング」は創り出せません。
ただ、「ウェルビーイング」になるための深化は、
まずは、「今が楽しい」と思えること。そのときの充実がまずは大切になります。
そして、「これからの将来に希望を持てる」という状況を創り出すこと。今も将来も明るいと思えることが大切です。
次に、「家族や仲間、友だち、地域の人の幸せを願う」こと。
最後に、「クラスや学校、地域、日本、世界を良くしていきたい」と考えることです。
つまり、個人が「ウェルビーイング」であるためには、社会も地球も「ウェルビーイング」である必要があると言うことです。
全世界の人々全てが「ウェルビーイング」について考え始めたら、完璧な「ウェルビーイング」になると思いませんか?
それはとても壮大なことだと感じるかもしれませんが、世の中には、そこに向かって歩み始めている人たちがたくさんいます。
たくさんの企業も取り組んでいます。
皆さんもできることから始めてください。
できること?それは、自分自身の充実や幸せ、そして、身近にいる人の充実や幸せです。
HIGASHIの生徒の良いところは仲間を大切にすることです。
そして、人それぞれの「違い」を当たり前のこととして受け止めることができることも良いところです。
校長面接で友達やクラスメイトとのかかわりについて質問した答えから、友達やクラスメイトへの「気遣い」と「尊重」を感じました。
また、家族への思いも感じました。
であれば、自分を含めた、自分の身の回りは「ウェルビーイング」な状態を創り出せると思います。
そこから、考えながら、さらに深化させていってほしいと思います。
これだけ「ウェルビーイング」を連呼されると頭に入りますよね。
そうです。私からの最後のメッセージは「ウェルビーイング」です。
まずは、この言葉を覚えておいてください。
最後になりましたが、
保護者の皆様にひとことお礼を申し上げたいと思います。
この三年間、本校の教育活動にご理解とご協力をいただきまして本当にありがとうございます。
コロナ禍真っ只中の三年間でしたが、保護者の皆様の支えがあったからこそ、教職員一同、自信をもって教育活動に当たる事ができました。
そして、その支えがあったからこそ、今の卒業生の姿があるのだと思っています。
心から、感謝を申し上げます。
そして、卒業生の皆さん、この様な状況の中でも、HIGASHIの伝統を守り、さらに、進化させてくれたことに感謝します。
令和五年三月二十日
みしまの森学舎 世田谷区立東深沢中学校 校長 本田 仁