校長室の窓から〜『富岳の眺め』No.143
- 公開日
- 2020/10/10
- 更新日
- 2020/10/11
校長室より
No.143【ガラスの天井】
昨年12月、フィンランドで
世界最年少の女性首相が誕生した。
サンナ・マリン氏 34歳。
フィンランドで女性首相は
マリン氏で3人目である。
当のフィンランドでは
年齢や性別に関係なく、
スキルや才能が重視されている。
その立場にふさわしい人が
持てる力を発揮できることは
当たり前だと思っているそうだ。
私はふと疑問に思った。
もしマリン氏への関心が
「世界最年少の女性首相」ではなく
「スキルと才能」であったならば
果たして日本でニュースとして
注目されたであろうか?
🇫🇮
日本では今「女性活躍」が言われている。
あえてその言葉を使うのはなぜなのか。
京都女子大学の瀧浪貞子名誉教授は
日本のかたちを決めた天皇として
7〜8世紀の持統天皇(女帝)を上げている。
今も皇室に伝わる様々な儀式も
持統天皇時代につくられたものだそうだ。
外国に向けて初めて
「日本」という呼称を使ったのも
持統天皇であったという。
持統天皇の活躍があったからこそ
この国のかたちができたとも言える。
🇯🇵
2016年米大統領選挙。
敗れたヒラリー・クリントン候補、
その敗北宣言は
歴史に残る演説であった。
🗽
女性の活躍を阻(はば)む
高く強固なガラスの天井を
私たちはまだ打ち破っていない。
しかしいつの日か、
誰かがこの天井を壊すだろう。
そしてこの演説を視聴している
未来を担う少女のみなさんへ伝えたい。
あなたには価値があり、
あなた自身、力を持っているのだと。
そして世界中であらゆる夢を追い求め、
夢を実現するチャンスを得るに
ふさわしい存在であることを、
決して疑わないでほしい。
(訳:筆者)
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