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校長室の窓から〜『富岳の眺め』No.168

公開日
2021/03/20
更新日
2021/03/20

校長室より

No.168【象がいる部屋で】

elephant in the room
直訳すると「部屋の中の象」。

この慣用句を日本語に訳すと
「見て見ぬふり」となる。
「問題の先送り」でもある。

部屋の中に象がいる。
誰もが象の存在に
気がついているはずなのに
気がつかないふりをする。
気がついていても
見なかったことにしてしまう。

🐘

「延期」「中止」

この一年で何度この言葉を
繰り返しただろう。
いつしかこの言葉に慣れてしまい
無力感に襲われた自分がいた。
「どうせ」「仕方がない」と。

無力感は思考停止となり
目の前にある問題を
先送りしようとしてしまう。


昨日卒業式を迎えた3年生は
目の前にある問題に向き合い、
最善策ではなくても
自主的に次善の策を考え抜いた。

修学旅行の代案として
日帰り旅行を提案。

また自分たちのためではなく
1・2年生のために
来年度以降も引き続き
体育着登校を提案した。

さらに後輩たちに向けて
3年生からのメッセージとして
校庭での合唱披露も提案。

そしてそれら全てを実現させた。

合唱曲『青葉の歌』の歌詞。

 世界中のみんなの手が
 もっともっと固く結ぶ

 世界中をつなぐ日が
 きっときっとやって来る


生徒たちの歌声を聴きながら
今の状況下だからこそ
その歌詞の一語一語が
私の心に染みわたった。

🐘

elephant in the room

私たちの目の前には
象が存在している。
私たちはそこに象がいることを認め
その象を部屋から連れ出すためには
どうすればいいのかを
考えなければならない。
もちろんそのためには
世界中のみんなの手が
もっと固く結ばれる必要がある。

なぜなら目の前にいる象が
あまりにも大きすぎて
決して一人では
連れ出すことができないのだから。