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義務教育の修了に目を向けて 2

公開日
2022/08/08
更新日
2022/08/08

校長室より

先週は、部活動の合同合宿に同行しました。
また昨日は、吹奏楽部の東京都のコンクールを見に行きました。
夏休み、部活動や様々な活動で頑張る砧中生の姿、とても素晴らしいと感じています。
猛暑の夏休みも、いよいよ中間点。
後半も、コロナだけでなく熱中症にも気を付けながら頑張れることを願っています。

さて、前回の続きになりますが、もう少し義務教育終了について述べたいと思います。

義務教育は9年間ですが、「学ぶこと」は義務教育終了後も続きます。
上級学校(高校や専門学校、大学など)に進学すればもちろんですが、職業に就いてからも、新たな「学び」が始まります。
中学生なら「勉強、勉強といわないでくれ」と、反発したり、うんざりする場合もあるでしょう。また、そもそも「何のために勉強するんだろう」と素朴に考える場合もあるかもしれません。
24年前のことですが、私の教え子で、進路決定の三者面談の時に「人のためになる仕事につきたい」話していた女の子がいました。
彼女は、高校2年の時、1年間「休学」し、「ピースボート」という船に乗りました。「ピースボート」は、いろいろな国の人と寝食を共にしながら、いろいろな国を見聞し、その国の人々や文化等に触れる、という目的の船です。
その体験の中で、彼女は様々なことを考えたようです。
「ピースボート」の旅を終えた後に送られてきた手紙には、「学校の勉強に意味がないと感じていたけど、やらなきゃ何もできないんだ。自分のやりたいこともできないんだ。」と書かれていました。
彼女は、同級生より1年遅れて高校を修了し、大学へ進学。
自分がその「旅」の中で学びたいと考えた「タイ語」を学びました。
現在はその力を生かして、国際交流と国際ボランティアを支援するための仕事に従事している、と聞いています。
今中学生が「こんなことを覚えて何の役に立つのだろうか」と感じていることでも、自立して人生を歩み始めた時に、その必要性や意味の重大さがわかるようになるということなのかも知れません。
勉強は、知識を丸暗記することではありません。
苦労して覚えた知識もいずれは忘れてしまいますし、勉強したことがすべて社会に出て役立つわけではありません。
むしろ、直接役立つことは非常にまれだと思います。
勉強をする意味は、実はもっと他のところにあるのかもしれません。

                        校長  大坂 崇

*校長室だよりは、教員の「授業」についての学びのシリーズです。
 ☆校長室だより25