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義務教育の修了に目を向けて 3

公開日
2022/08/18
更新日
2022/08/18

校長室より

夏休みも残り10日余り。
学校の廊下のワックスがけも終わり、きれいになった校舎で生徒を迎える準備も始まっています。
教員だけでなく生徒も、2学期の準備(心の準備も含めて)の時期でしょうか。

さて、前回の続きをもう少しだけ、書かせて頂こうと思います。

人間は物事をとらえたり、考えたりするとき、2つの側面を持っています。
1つは感情的な面、もう1つは理性的な面、です。
感情のまま、気の向くまま暮らしていては、なかなか仲間との人間関係が保てなかったり、物事を判断したり処理するのに不都合をきたすこともあります。
そういった面で、論理的に筋道を立てて物事を考えることは、生活していく上でとても大切なことです。
社会に出た時、学校で勉強した内容は忘れても、その内容を勉強する過程で必要な力(理性的なものの考え方)が身に付いていきます。
真剣な勉強は、次のような力を育むとも言われています。

○ 自由で多角的な発想ができる
○ 集中して、深く物事を考えられる
○ 幅の広い見方ができる
○ 新しいものを創り出す
○ 他人の立場を尊重し、思いやりを持ってその場に応じて力を発揮できる など

つまり、他人を生かしながら自分も生かすことを学んでいくのです。
だから、(教員に限らず)大人も、いろいろな意味で勉強するのだと思います。

前回の「ピースボート」の女の子の話に戻ります。
彼女は、自らの進路に迷い、考え、悩み抜いた結果、高校の「休学」を選びました。
一時的に様々な事情で身動きがとれず、苦しい時期もあったと思います。
でも、彼女は、自分の人生について、結論を自分で導き出しました。
当時の手紙に「自分のことだから自分で決めました」と書かれていました。
休校後、高校へ復帰した彼女は、「この高校にして良かった」と言って、1年遅れで卒業しました。
彼女はこれからも辛いことにもめげず、自分の道をしっかり歩む力を身に付けたと思います。
砧中学校で学ぶすべての生徒が、時には挫折しそうになることもあると思いますが、自分で選んだ道を、自信と責任を持って力強く歩んで行ってほしい、そして多少の困難にあっても自分を大切にし、友人や家族、まわりのたくさんの人たちとの絆を強めながら、乗り越えて行ってほしい、そう願っています。
砧中学校の教職員は、そのサポーター(応援団)でいられるよう、頑張っていきたいと思います。

                        校長  大坂 崇

*校長室だよりは、教員の「授業」についての学びのシリーズです。
 ☆校長室だより26