感覚・感性
- 公開日
- 2023/01/16
- 更新日
- 2023/01/16
校長室より
20年位前、担任をしていた私は、道徳授業地区公開で「『自分』という未知な存在」という内容の授業をしました。数学者の広中平祐氏の書いた『学問の発見』という本の抜粋です。
公開授業で緊張しながらの授業でしたが、クラスの生徒には、『自分から何か行動を起こし、その中で自己発見していくこと』や『自分の今の位置を確認しながら(地図を持って)自分の人生を考えていく感覚が必要だということ』を伝えたつもりです。
中学生も後半になってくると、どこから借りてきた言葉を並べ立てたり、教員の言ったことを言葉を変えて表現するのではなく、考えを自分の中から湧き出す言葉で表現できるようになります。また、人の温かさや人どうしの関わりについても、理解が深まります。
「人は、人よ、旅する」
その人がその人の人生を、その人なりに旅をするように生きていく、という意味の短い「詩」です。
人生の中で、中学校生活はわずか3年間ですが、入学時に小学生と変わらなかった感覚も感性も、3年の卒業期には大人の感覚・感性に変わっていきます。
「砧中に通う一人一人の生徒が3年間で身に付けた感覚が、砧中生の個々の人格として根付き、豊かな感性を花開かせて、卒業していってほしい。」
今、3年生の面接練習をしながら、そう切に願っています。
校長 大坂 崇
☆校長室だより51