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「大寒」から「立春」へ

公開日
2023/01/30
更新日
2023/01/30

校長室より

先週金曜日は、2年生の校外学習でした。
時間がずれたり、いろいろなアクシデントがありましたが、それを班で乗り越えていくのも学習。
曇り空で寒い中、生徒はとてもよく頑張ったと思います。

さて、1月20日の「大寒」以降、厳しい寒さが続いています。
でも、今週土曜日は「立春」。暦の上では、もう春を迎えます。
最近、晴れた日の夕方、とても美しい夕焼けが見られます。
茜色に染まる西の空。
自然はなんて美しいのだろう、と感じたりもします。
人は、自然の色(『新芽の早緑』や『夕焼けの茜色』や『透き通るような海の碧さ』など)を美しいと感じる素晴らしい感性を持っています。
日本では古来から、自然に対する「畏怖」と「感謝」という2つの感情を抱いてきました。また、朝日や夕日には、特別な感情を持ってきました。
(初)日の出に日々の平安、安寧を願い、夕日に1日の反省と感謝を見る。また、1年を24の季節(「二十四節気」または「二十四気」)に分け、そのひとつひとつに季節感のある「キーワード」をつけました。
自然と共存してきたかつての人々の感性は、なんと優れたものだったのでしょう。
平屋ばかり並んでいたかつての日本と違い、高い建築物が増え、人も忙しくなって、残念ながら朝日や夕日を見ることが少なくなってしまいました。
意識をしなくても『自然』がすぐ身近にあった時代と違って、食べ物の「旬」といった季節感さえもあいまいなことがあります。
意識しなければ『自然』を見過ごしてしまう時代になったのかもしれません。
先人たちが大切にしてきた自然に対する「感性」。
そういった豊かな感性が、日本独自の(古典文学や「浮世絵」、「落語」や「能」、「狂言」などの)文化を作り上げ、そして、「もののあはれ」とか、「わび」や「さび」、「粋(すいorいき)」といった独特の情感を作ってきました。
私たちはそういう感性を、持ち続けているでしょうか。
自然に対する感性を失うことは、日本独自の文化や芸術を理解する力を失うことでもあると思います。
自然を感じる。季節を感じる。生きとし生けるものにその生命の息吹を感じる。人の生き様や有り様にふくよかさやのびやかさを感じる。
そういった感性を持ち合わせられたら、その人の人生はきっと(物質的なものではなく精神的に)豊かなものになっていくのだろうと思います。

砧中学校にかかわるすべての人の人生が、心豊かなものでありますように・・・。

         校長 大坂 崇

☆校長室だより53