今日は、ご飯、さわらの幽庵焼き、里芋とかぶのそぼろ煮、鶏団子汁、牛乳です。
幽庵焼き、料亭や懐石料理で出てくるやつですね。私の家のでは出ることのないやつです。
この「幽庵焼き」は、江戸時代の茶人、北村祐庵が生み出した調理方法と言うのが定説になっていますが、それは間違いではないかという説もあります。
北村祐庵は、江戸中期に近江滋賀郡の茶人です。琵琶湖の近くなので、醤油と味醂と酒を使った鮒のつけ焼きとして、幽庵焼きを創作したとされています。しかし、江戸中期の料理本には、味醂を使った調理方法は、殆どありません。当時の味醂は、酒よりもずっと高価な飲み物でした。味醂を料理に使用するようになったのは、幽庵の時代から100年後くらいからです。淡水魚の鮒の調理方法として発案したとのことですが、現在では淡水魚の調理には使われておらず、そもそも淡水魚の調理には適さないように思います。
江戸時代の記録には、「幽庵焼き」というものはありません。大正時代に日本料理の調理方法を網羅した「日本調理法大全」にもその名はありません。「幽庵焼き」の調理方法が記録されているのは、昭和になってからのものです。
以上のことから、北村祐庵が魚を醤油と酒と味醂に漬けるとゆう案を考えたとは思ません。
この料理を考えた人は、茶道の心得のある料理人で、江戸時代の茶人、北村祐庵が鋭い味覚の持ち主ということで知られていたので、その名を付けたのではないかということです。
柚子の香りがする幽庵焼きは、太陽の輝きのような美味しさでした。ユーアン、マイ、サンシャイン…。