学校日記

3/19 メビウス 6年生

公開日
2025/03/19
更新日
2025/03/20

できごと



メビウスの輪を御存じでしょうか。


ドイツの数学者アウグスト=メビウスが考案した、細長い帯を1回ねじって両端をはり合わせたときに、表裏の区別ができない連続面となる図形。  そこを歩いていたとして、表を通っていると思っていたらいつの間にか裏を歩いていて、裏を歩いていたと思っていたらいつの間にか表を歩いているという不思議な輪です。6年生が算数で作っていろいろと試しているところでした。


メビウスの輪を作るの自体も楽しいんですが、更に楽しいのはその先です。いろいろ試していきます。メビウスの輪を半分に切るとどうなるでしょう。頭の中で想像してみてください。全く想像できない方もいるでしょう。私もそうです。実は・・・


半分の細さで2倍の大きさのメビウスの輪ができあがります!これは子どもたちもびっくり!どうしてそうなるのかというと、


ふつうの輪は切れば、

11111111111111111111

22222222222222222222


これが


11111111111111111111



22222222222222222222


このように1と2に分かれるだけですが、


メビウスの輪はねじってあるので、ねじったところで1と2がつながっていると言えます。同じように数字で表すと、


11111111112222222222

22222222221111111111


となり、これを切ったとすると


11111111112222222222→ここが下段の左端の2へつながり、



22222222221111111111→ここが上段の右端の1へつながっている


となるので、


1111111111222222222222222222221111111111→ここが左端の1とつながる


という風に半分の細さで大きな1つのつながった輪になるのです。1を切っていたら、いつの間にか2になっていて、そのまま切っていたら切り始めのところに着いたということです。


ちなみに、3等分した線を切っていくとどうなるか、分かりますか。答えは、写真の中に!


不思議な不思議なメビウスの輪、子どもたちの算数的な考えを刺激しますが、ただのおもしろい輪ではありません。見付けた人の名前が付くほどの大発見です。では、メビウスの輪は一体何の役に立ったのか・・・私も詳しく知らなかったんですが、調べてみるといくつか出てきました。結構、日常の中にも活用されているようです。


・トポロジー(位相幾何学)の発展に大きく貢献。トポロジーは物体の形状の変化を研究する数学の分野。メビウスの輪はその基礎的な例となった。(「トポロジー」・・・「ああ、トポロジーね・・・あれ、おいしいよね!」と言いたくなるくらい初めて耳にする名称です。)

・一つの面しか持たない立体の存在を示し、従来の立体観を覆した。(「立体」なんですね!)

・芸術分野にも影響を与え、メビウスの輪のモチーフが建築や工芸品などに取り入れられるようになった。(確かに美しい。「不思議な絵」などにも使われていますね。)

・物理学や化学などの自然科学分野でも、メビウスの輪の構造が応用された。(コンベヤーベルトの長寿命化、連続ループ録音テープ、タイプライターリボン、コンピュータープリントカートリッジなどに製品にも応用されているそうです!)


また、途切れることのないその形が「永遠」を象徴するともいわれる「メビウスの輪」、子どもたちが数学に興味をもつきっかけになればうれしいです。